夫婦関係を改善するために整えるべき6つのシン【シン・イクメン】

【シン・イクメン】という言葉をご存知でしょうか。

これは私が考案して2023年12月に商標登録を出願した、新しいイクメンを表した造語です。

この記事では、シン・イクメンの要素である【6つのシン】を解説していきます!

身口意の三業

6つのシンは大きく3つのカテゴリーに分かれています。

3つのカテゴリーとは

仏教の

身口意の三業(しんくいのさんごう)

に基づいて分けられています。

【業(ごう)】とは仏教用語で

《行い》や《行動》

を意味します。

【身口意の三業】とは

  • 身業:身体的行為
  • 口業:言語的行為
  • 意業:意識的行為

を意味します。

この3つの行為が人格を創ると仏教では考えます。

そしてこの【身口意の三業】は順番も大切なのです。

意識よりも、言葉よりも、まずは身体を動かすという事です。

体を動かすことで、言葉が変わっていき、意識が変わってくる。

【シン・イクメン】の6つのシンもこの考え方を大切にしています。

6つのシン

①【身】身を動かす(行動する)

《家のこと》と書いて【家事】 
《児(子)を育てる》と書いて【育児】

家事も育児も本来は夫婦2人の「事」ですね。

【イクメン】という言葉があるのに、【イクレディ】みたいな言葉はありません。

そもそも【イクメン】という言葉自体が、 「家事・育児は女性が行うのがデフォルト」 ということを無意識に植え付けます。

こんなデータ結果もあります

夫の家事・育児に対して
「満足」・・・16.7%
「不満」・・・55.3%
(2024年1月 しゅふJOB総研)

実は「不満」という回答、3年前より5%増えているのです

『イクメン』『育休』という言葉が浸透してきて、奥さんの期待値が高まる一方で、夫の実力が追いついていない、ということですね。

シン・イクメンは、家事・育児を自分事ととらえて、当たり前のように行動します。

家事・育児には名もなきタスクが無数にあります。

皿洗いやごみ捨てだけが家事ではないのです。
オムツを変えることだけが育児ではないのです。

心の何処かにある 「これは奥さんの役割だから」 という甘えをいったん取り払って、家事・育児を「自分事」で見てみると、 奥さんが日々こなしているタスクの多さや、それをこなす手際の良さに感服します。

その事を理解して、まず積極的に動く!
何をしたら良いのか分からなければ、奥さんに聞く!

そこから【シン・イクメン】がスタートします。

②【新】新たな習慣を持つ

結婚生活とは「日常」です。

その「日常」の積み重なりが、 「未来」 となり、 「人生」 となります。

つまり、その日常の中で行っている【習慣】が人生を創っていると考えられます。

シン・イクメンは日常の習慣を以下の三原則に当てはめて創っていきます。

  • 時を守る
  • 場を清める
  • 礼を正す

これは教育哲学者の森信三先生が提唱された 「職場・学校再建の三原則」 ですが、私はこれを 【家庭再建の三原則】 とも考えています。

どんなに荒れた環境も、 そこに属する人達がこの3つを実践すれば、 その環境は必ず再建できると言われる三原則。

時を守る

帰宅時間や約束した時間を守っているか

場を清める

家族が過ごす環境、少なくとも自分が使った場所をキレイに整えているか

礼を正す

挨拶や感謝を「言葉」にして表しているか

この3つになぞらえた習慣を日常に落とし込み、まずは自分から率先して実践する。 それが家庭環境や夫婦関係を再建させるだけでなく、 自分と向き合い、自分を整えることにもつながります。

③真を語る(素直である)

人とのコミュニケーションの中で大切なこと。

それは【言葉】です。

仏教には、

「正語(しょうご) “正しい言葉を使う”」

という考え方があります。

以下の4つの悪から離れることで、「正語」に近づくとされています。

嘘をつくこと(妄語)
無益で飾る言葉(綺語)
人の仲を割く二枚舌(両舌)
粗野な言葉(悪口)

シン・イクメンは 特に

・嘘をつかないこと

を大切にします。

「嘘をつく」とは相手をを騙す行為だけでなく、 自分の非をごまかして認めない行為も含まれます。

奥さんから指摘があった時に、 ふてくされずに、 「ごめんなさい」が言えるか。

そのためには 【素直さ】 が鍵となります。

では、どうしたら【素直】になれるのか、 仏教的に解説します!

=======================

素直さとは 「我を無くす」こと。

「我を無くす」と聞くと 「自分らしさ」を無くすと解釈する人もいると思います。

では、自分らしさとは何でしょう。

夫としての自分 父としての自分
仕事をしているときの自分
親といるときの自分
友達といるときの自分

色々な自分がいると思います。

私達はたくさんの縁起(つながり)によって存在しているので、 そもそも「我」というものは「無い」と、仏教では考えます。
つまり「自分」とは、周りとのつながりや関わりの中で、その時々に合せて変化をして、実態は何も無いのが、「自分」つまり「我」なのです。

「いやいや、この肉体が存在してますよ?この肉体が自分じゃないですか?」

と思うかもしれません。

では、この肉体は自分の思い通りにできるのでしょうか。

臓器は勝手に動き、細胞は勝手に歳をとり、勝手に病気になる・・・

思い通りにコントロールできず、絶えず変化をする肉体を【自分】と呼ぶのは難しいですよね。

では心が自分?意識が自分?でもそれは「脳」という臓器が創っている・・・

つまり、考えれば考えるほど、【自分】という存在は説明がつかなくなるのです。

【素直になれない】という状態は、
そもそも存在しない【自分】(我)にいつまでも執着している状態と言えます。

そして【素直】になれないと、
人の言うことが聞けずに、
新しい考えや価値観が吸収できずに成長も止まってしまうのです。

また、 「奥さんのことを理解しようとする思考」 も停止します。

つまり、夫として、父として、人として成長したければ、
「我」を無くして 【素直である】ことが大切なんですね

しかし!
この「我」を無くすのが難しい・・・(-_-;)

だからこそ、結婚生活とは いかに「我」を無くせるかの「修行」と言えるのですね。

=======================

素直になって、正しい言葉を使う。

これがシン・イクメンの 「真を語る」なのです

④親から学び、親として伝える

「親から学ぶ」とは、

“夫婦関係や子育てにおける自分の考え方のルーツを理解する”

ということです。

“夫婦関係は、親との関係のやり直し” と言われています。

夫婦関係のうまくいかない部分を見つめていくと、
実は親への葛藤や不和が、 自分の夫婦関係の問題となって現れている事があるのです。

また、自分のパートナーシップ論は、 意識的にも無意識的にも両親からの影響が大きいものです。

しかし、たとえ自分のマイナス面が親から引き継がれたものだと分かっても、 親を否定してはいけません。

否定したところで何も生まれないからです。

ルーツに気づいて、そのうえで 「自分はどう生きていくか」 という事を再定義します。

そして自分が親からたくさんの影響を受けているように、
自分も子どもにたくさんの影響を与えている事を自覚しましょう。

おのずと子どもに伝える言葉も変わってくるはずです。

⑤【信】信じるは自分の成長と家族

結婚生活とは「日常」です。

『神様仏様』を信じて、祈るだけでは日常は変わりません。

自分が何を思考して、 何を行動するかによって 言葉も意識も変わります。

すると、日常に変化が起こり、 夫婦関係も変わり、未来が変わるのです。

つまり信じるべきは、神様仏様自体ではなく、 それらの教えを糧にして成長していける 《自分自身》 だと、私は考えます。

また、『家族を信じる』とは、 家族のありのままを受け入れるということ。

家族は自分とは別の人格、 つまり《他人》です。

自分の思い通りにはならないのです。

仏教には 「諸法無我(しょほうむが)」 という考えがあり、
『全てのモノは関連しあって成立しているので、 自分一人で存在する「自我」というものは無い』
と説いています。

思い通りにならない 《家族》 の存在があるからこそ、
今の《自分》が存在出来ている事を忘れずに、

家族を信じ受け入れ、自分を信じて成長できる。

そんな、パパが【シン・イクメン】へと成長します!

⑥心を観て、心を整える

良好な夫婦関係の構築するためには、

「相手を通して見えてくる自分と向き合うこと」

が大切です。

「自分と向き合う」とは『自分の心を観る』
つまり自分の感情を客観視することです。

結婚生活とは、価値観の違う他人と生活をするという、とてもハードなゲーム。

自分も相手も人間ですから当然、喜怒哀楽、さまざまな感情が芽生えます。

時には怒りや失望の感情も生まれてくるでしょう。

大切なのは、その感情を否定せずにフラットに受け入れて、ネガティブな感情をいつまでも引きずらないこと。

感情の扱い方を知って、 心の整え方を身につけることで、 「怒り」を引きづらないことが重要です。

仏教では、 「怒り」を 人生に苦しみをもたらす「三毒」の1つとしています。

自分の心を観られるようになって、初めて相手の心も少しずつ観えてきます。

心をよく観て、心を整えられるシン・イクメンが 良好な夫婦関係や親子関係を構築していきます。

自称イクメンとは

シン・イクメンの真逆の存在が

【自称イクメン】

です。

私もかつては自称イクメンで、夫婦関係をどん底にした経験があります。

夫婦仲が悪化すると、一番かわいそうなのは

子ども

です。

かといって、子どものために

我慢

して夫婦関係を続けるのも、苦しいものです。

夫が自称イクメンを脱して、シン・イクメンになることで幸せな家庭を築き、

その家庭で育った子どもがまた幸せな家庭を創っていく。

そんな世代を超えて幸せな家庭を増やしていくために、

私は【シン・イクメン】を提唱しています!

Follow me!