なぜ夫婦は分かり合えないのか‐相手の立場に立つ方法‐

なぜ夫婦はこんなにも分かり合えなのか・・・

こんにちは!シン・イクメン育成コーチのひなたです!

「妻は全く俺の事を分かっていない!というか、分かろうともしない!」

と怒りに震えること、ありませんか?

そして、そんな状態なのに

「あなたは全然私の事が分かっていない!」

と逆に奥さんから怒られたり・・・

夫婦関係において、「なぜ分かり合えないのか」という問題は多くのカップルが直面する悩みです。

正直、私たち夫婦もいまだに起こる事象です(-_-;)

今回の記事では

というテーマについて考察しました。

本記事を読んでいただく事で、どうしたら相手の立場に立つ事ができるのかが分かります!

1. 「同じ」と「違い」が分かるのは人間だけ

チンパンジーには【同じ】という概念がない

この問題の根源を探るため、

養老孟司さんの著書

「ものがわかるということ」

という本がとても参考になりました。

本書では、「ものがわかる」ということがどういうことか、を

様々な面から考察した、おもしろいテーマの本です。

まずこの本では、人間が他の動物と大きく異なる能力として、

の両方を認識できる能力を挙げています。

他の動物は「違い」だけ認識できますが、「同じ」は認識できないそうです。

「同じ」という意識が

交換を生み出し、お金を生み出し、相手の立場を考えるという能力を生み出します。

人間とチンパンジーの赤ちゃんを同時に育て始めたところ、

なんと3歳までは、人間よりもチンパンジーの方が知的能力も身体能力も優れていたそうです。

ところが、4歳くらいになると、チンパンジーの知的能力の成長は止まるのに対して、

人間の発育はどんどん伸びていき、「同じ」を意識できる能力も育まれます。

この能力が、他者、特に配偶者の心を理解する上で重要な役割を果たしているのです。

2. 3歳児と5歳児の他者理解の違い

相手と自分を【交換する】能力は5歳児には備わっている

この本で紹介されている興味深い実験があります。

3歳児5歳児を対象に、他者の視点を理解する能力を調査したものです。

実験の内容は以下の通りです↓

  1. 舞台上に箱AとBを置く
  2. お姉さんが人形を箱Aに入れて退場
  3. お母さんが登場し、人形を箱Aから箱Bに移動
  4. お姉さんが再び登場したとき、どちらの箱を開けると思うか質問をする。

その結果は、
3歳児は箱B(人形の実際の位置)を答え、
5歳児は箱A(お姉さんが最後に置いた場所)を答えました。

この違いは、

を示しています。

つまり、5歳頃には他者の視点に立って考える能力が芽生えているのです。

養老孟司さんはこのことを

と表現している事も、私はとても印象的でした。

自分と相手を交換することで、相手の立場に立った考え方が出来るようになるのですね。

3. 夫婦関係はなぜお互いの理解が難しくなるのか

比べることが、相手の視点に立つことを妨げている

では、なぜ5歳の時には身についているはずの

他者の視点に立って考える能力

大人になって結婚すると、発揮されにくくなるのでしょうか。

その主な理由として、

の要素が強く入ってくることが挙げられると、私は考えています。

夫婦関係は日常生活で最も近い関係であり、お互いのことをよく見ているがゆえに、以下のような比較が生じやすくなります:

  • 「私はこんなに頑張っているのに、あなたは全然やっていない」
  • 「俺はこれだけやっているのに、妻は言うだけで行動しない」

このような比較意識が、お互いの立場に立って物事を見ることを妨げてしまうのです。

これは、先ほどの実験の3歳児の認知に似ています。

自分が見ている世界が全てだと認知し、相手もそう見えているはずだと思い込んでしまうのです。

これは、自分が日常生活を頑張っているという自負が強ければ強いほど、
相手とどうしても比較してしまい、

と、相手の対場を考えるよりも自分自身に意識が向かってしまうのです。

俺の方が大変・・・

4. 日常生活での具体例

夫が見ていない【妻の苦労】があります

私自身の経験を例に挙げてみましょう。

我が家では、私(夫)は家にいるときはほとんど座ることがありません。

常に何かしらの家事をしています。

仕事が終わり家に帰ると、料理をしたり、皿を洗ったり、子どもをお風呂に入れたりと、絶え間なく動き回っています。

一方で、妻はスマートフォンを見ながらソファに座っていることが多いのです。

正直なところ、このような状況を目にすると、

「なぜ自分ばかりが家事を頑張っているのに、妻は何もしないのだろう」

という思いが湧いてきてしまいます。

不公平感から不満が募ることもあります。

しかしこの場合私は、今見えている現実(動き回る自分、座ってスマホをする妻)だけを認知して、

わけです。

ここで立ち止まって考えてみると、この認識は非常に一面的であることに気づきます。

私は日中、外で仕事をしていて、移動のスキマ時間で音声ラジオの収録をしたり、自分で時間をコントロールして動けています。

一方で、妻は一日中2歳の次男の世話をしています。

どこか出かけるにしても、いつも子どもとセットで、
しかも2歳と言えばまだ聞き分けができないのに動き回る年ごろなので、
自分の思うがままには動けないのです。

つまり、彼女にとって、自分だけの時間というのはほとんどないのです。

私が帰宅した時間は、妻にとってようやく子育てから少し解放される瞬間かもしれません。

その時間に、一日中チェックできなかったスマートフォンを確認したり、
友人とメッセージをやり取りしたりすることは、彼女にとって重要なリフレッシュの時間なのかもしれません。

このように、自分が見ていない時間帯の妻の状況を想像してみると、

だという事が分かったのです。

確かに、私が家事をしている間、妻が座っているように見えるかもしれません。

しかし、それは彼女の一日の中のほんの一部に過ぎず、
その背後にある彼女の努力や疲労を考慮する必要があるのです。

この気づきは、私の不満や焦りを和らげてくれました。

まさに、自分と妻を交換してみると、妻が別にさぼっているわけではないことがよく理解できるのです。

5. 相手の立場に立つ努力

仏教的にも『不平不満』は【毒】の1つとされています

夫婦が互いを理解し合うための鍵は、まず

ことにあると考えます。

そして比較をやめるために意識したいことを、5つのポイントにまとめます↓

  1. 比較意識を減らす:自分と相手の行動や貢献を常に比べるのではなく、それぞれの役割や状況の違いを認識する。
  2. 相手の立場に立つ努力:自分が見ている世界だけでなく、相手が経験している世界を想像してみる。
  3. 認知の歪みを認識する:自分の見方が全てではないことを理解し、相手の視点も考慮に入れる。
  4. コミュニケーションを大切にする:お互いの状況や気持ちを率直に話し合い、理解を深める。
  5. 感謝の気持ちを持つ:相手の貢献や努力を認め、感謝の気持ちを表現する。

これらの点を意識することで、夫婦関係における相互理解が深まり、より良好な関係を築くことができるでしょう。

最後に、仏教の教えをひとつ。

不平不満を持つことは、人を苦しめる

の一つとされています。

不平不満や愚痴は私たちの人生を苦しめる「毒」なのです。

不平不満を持つことは、自分自身を苦しめる原因となりますので、

自分のためにも相手の立場に立った物の見方をして、不平不満をどんどん手放していきたいですね!

夫婦関係は決して簡単なものではありませんが、お互いを理解しようとする姿勢と努力があれば、
より深い絆と幸せな関係を築くことができるはずです。

日々の生活の中で、相手の立場に立つことを意識し、比較ではなく理解と感謝の気持ちを持つことで、

少しずつですが確実に関係を改善していくことができるでしょう。

皆さんも、今日からこのような視点で夫婦関係を見つめ直してみてはいかがでしょうか。

きっと、新たな発見や気づきがあるはずです!

今日もあなたの夫婦関係が最高になるように、心より応援しています!

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